青山陽一&The BM's@Organ Jazz倶楽部(沼袋)

ライブハウスがあるというイメージがあまりない沼袋のOrgan Jazz倶楽部というハコ。しかしここには彼らが演奏する理由があった。それはハモンド B-3 の存在だ。ハモンドオルガンは電子発振回路を用いず、トーンホイールを回転させて、マグネティック・ピックアップにより磁界変化の波を音源として出力する方式のオルガンで、パイプオルガンの代わりに使われ始めたが、やがてジャズやロックの世界で使われるようになった。70年台にはシンセサイザーにとってかわり生産を終了。現在でもハモンドオルガンのブランドはあるが、サンプリング音源や物理音源を用いたものだそうだ。
昨年の9月以来だというトリオ構成の演奏はすばらしかった。深みのあるハモンドオルガンの音に3人の自在な演奏。ステージの壁には細長い鏡が取り付けられており、オルガンの鍵盤を見ることが出来るのものニクイ。例によって色んなアルバムからピックアップされる曲目だが、まったく古さを感じさせず今のアレンジで聴かせてくれるのがイイ。1曲は未発表曲、聴いたことがなかった1曲はコンピレーションアルバムに収められている曲だった。カバー2曲のうち1曲はジョン・レノンの Mother だったのだが、これが Mother ってオリジナルはジョン・レノンじゃなくて別の人? と思ってしまうような黒っぽいアレンジで驚かされた。
今回のライブハウスは定員50人。あっという間に予約が埋まってしまった。コアなファンが一定数いて東京ではすぐにソールドアウトしてしまう。大きなハコでやるとなかなか人を集められないようだが、もう少し気軽に見に行ける環境にならないと間口が広がらず、ファンが増えないのではないかと思ってしまう。この人のすばらしさをもっと沢山の人たちに知ってもらいたいし、好きなタイミングで音源を発表し、ライブ活動を行える程度には稼いで欲しい。