Dumbo Art Festival 2011
Dumbo地区とは、Brooklyn の East River 沿い。Brooklyn Bridge と Manhattan Bridge の間あたりを差す。East River 沿いは近年どんどん開発が進み、公園が出来たり新しい集合住宅が出来たりしている。Dumbo 地区は、SOHO などの家賃が高くなった後、多くのアーティストがアトリエを構えるようになったのだそうだ。そういう中で、毎年 Dumbo Art Festival というイベントが行われるようになった。
今年の開催は9月23日から25日の3日間。
http://dumboartsfestival.com/
Festival は公園の中や路上や、幾つかの特設会場で行われる展示やパフォーマンスと共に、各アーティストは自分のアトリエを公開している。これはアートに親しむなどという意味と共に、アーティストが自分や作品を売り込む機会でもあるわけだ。今回は土曜日の朝から出かけてみた。
これはたしかメキシカンレストランだったと思うが、なかなか強烈なグラフィック。
こっちはレコード店。
あるビルを取り囲んでいたモノクロのポートレート写真。写真に書かれていた URL へ言ってみると、insude out project というものだった。ポートレートを撮影してアップロードすると、ポスターが送られてくるらしい。それを色んな所へ張ろうという事のようだ。
http://www.insideoutproject.net/
アトリエの一つ。案内がなければ中に入るのが憚られるところだ。このアーティストは、サイリウムか何か発光する液体をポンプで循環し、様々に発光するオブジェを作っている人。この画像はその一部。
階段。特に意味はないが...
交差点の電線に架かっていた人形。Festival に向けて誰かが掛けたらしい。
こういうグラフィックが色んな所にある。
ドア。ライブハウスの入り口なんかだとありがちか。
ちょっとかわいい鯨の落書き。
レゴブロックの家。
ビルの上。
Manhattan Bridge。ありがちな構図ではある。このあたり、結婚式の写真なども良く撮られている。
ここは、造形物の作品を集めた特設ギャラリー。
傘とLED。
音が出る引き出し。4つの引き出しがあり、開けるとそれぞれ異なるメカニズムと素材でリズムを刻むようになっている。公式にエントリーされた作品には、説明と QRコードのカードが張られており、人気投票が行われている。
もともと石畳のでこぼこ道で、鉄道の軌道なども残っているが、現在着々と整備中。石畳は Manhattan などにもかなり残っている。SOHO の裏道とか、Meat Packing地区など...
Video Dumbo というビデオ作品を集めた特設ギャラリー。普通の映像作品もあった。(内容はあまり普通な感じがしなかったが)
光を当てて影を映す。映っているのは自分の影。裏から見るともっと8bit 風に見える。
2面の壁にテープを貼って光を当てた作品。
トレーラーハウスがひとつの作品になっている。中は子供のおもちゃやスポーツ観戦のチケットなどのコラージュ。
なぜか特設会場でプロレス興行も。
昼食のハンバーガー屋台。オーダーシートでパンやパティ、チーズ、その他のトッピングを選ぶ形式。なかなか美味しかった。
Midtown での新規開店に備え、このところどこにでも顔を出すユニクロ。
光る台の上で動物や車などの模型を動かしている。なにがどうなっているのか今ひとつ判らなかったが。
ビデオカメラで撮影したものをリアルタイムに加工して投影している。
鉄のパフォーマンス。鉄を溶かして型に入れて、冷まして型を割って取り出す… ということをしていたようだが既に終わっていた。しかし、出来たものを貰ってしまった。エンブレムというには大きくて重いロゴが入ったものだった。
特に Festival とは関係ないが、自由に使って下さいという感じの Doggy Bag のポスト。もちろん使ったものを入れるのではなく、入れるための袋の供給場所。
AT&T が提供する休憩所。DJ プレイなどが行われていた。ソファーがありくつろげる。その隣ではなにやらライブ演奏などが行われていた。
イーストリバー沿いに設置されたメリーゴーランド。
仏様の落書き。
昔からの落書き。
これはワイヤーにつるされていた。
Manhattan Bridge の壁とトンネルに投影される映像。これはまだテストパターン。多数のプロジェクターを同期させて巨大な映像作品を作り上げているらしい。数字はおそらくプロジェクターの番号。
日が暮れる Downtown。
暮れた。
メリーゴーランドはガラス張り。営業中は2面が開く。
イーストリバーのパフォーマンス。映像と演奏とカヤックのパフォーマンス。映像は、氷の海を静かに漕ぐシーカヤックと、プールでひたすらハンドロールをする映像の繰り返し。ちなみにロールは正式にはエスキモー・ロールという。カヤックがひっくり返った時に、船から脱出して泳がずに自力で船を反転させ正常なポジションに戻る技だ。通常パドルで水を押さえつけ、それを支点に膝と腰のスナップで船を起こす。支点が遠くにあればそれだけ力が掛けやすく、ロールの成功率が上がるが、ハンドロールというのはパドルを使わずに、手(体) のみで船を起こす高等技術。
演奏はドラム、バイオリン、チェロとボーカルという構成だが、バイオリンは映像がハンドロールのものになると、歪んだエレクトリック・ギターのような音になる。それと同時に、カヤックも暴れ出す。カヤックは今時のリバーカヤックにしては長い艇だと思ったら、カヌーポロの人たちだった。
自分はカヤックをやっていた視点で見られるのでそれなりには楽しめたが、一般の人たちにはどうだったのか少々疑問だ。
カヌーポロの人たち。
Manhattan Bridge の光のパフォーマンス。
壁から顔が浮き出る。
そんな訳で一日中楽しんでしまった。好きな人なら二日がかりでも飽きないだろう。それと同時に、アートとの距離が日本とアメリカでは随分差があるという気がしたのだっが。