中国製真空管アンプ Bewitch6550

以前、ドスパラで Edifire M-20 MKIII という中国製真空管アンプ付スピーカーが売られていて、なかなか評判が良さそうだったので購入したことがある。Audio マニアではないのであまり大した評価は出来ないが、なかなか良い感じの音で気に入って使っていのだが、ある日片方のスピーカーの音が出なくなった。真空管を入れ替えても事態は変わらず、内部回路へのアクセスも困難なように見え放置状態となり、日本の家を空けたときに捨てた。
そして現在、中国製のオーディオというのが色々と出回っている。その品質は玉石混淆で偽物の粗悪パーツを使用してあったりするケースも多いようなのだが、当たればそのコストパフォーマンスは高いという評価だ。特に真空管アンプなどは、回路が単純で設備も大がかりなものが必要ないなどという理由で様々なメーカーが乱立している。
最初に目にしたのは Dared というメーカーの I30 というモデル。USB Interface が付いている事と、ちょっとレトロなデザインに興味を覚えたのだが、冒険するには高価すぎるという印象だった。http://www.daredtube.com/new_classic.htm

 
現在使用しているステレオは日本から持ち込んだもので、DENON のミニコンポーネントだ。一応全ての機器の電源が独立していて、なんちゃってセパレートコンポではなく、スピーカーも Infinity Reference One というそこそこのものがセットされていた。通常の使用には大きく不満はなかったのだが、ボリューム周りは怪しい感じになっていた。
そうこうしているうちにスピーカー購入熱に浮かされ、ebayB&W の CDM1 というモデルを落札した。10年以上前のものだが。そしてスピーカーを変えると今度はやはりアンプを...という気分になってきて再び物色を始めた。
真空管アンプは電源と出力のトランスが必要であり、アンプの重量が重いことというのは一つの指標になるらしい。それから出力管と言われる役割を持つ真空管に何を用いるか、300B、KT88、6L6G、EL84 など...回路の形態として、シングルなのかプッシュプルなのかなど。まあ良くわからないのだが。
最初に選んだのは、Yaqin の MC-100B というモデル。結構安い値段で売られていたのだが、注文ををしてみると重量があって米国までは距離があるので送料$250 の半額を負担しろと言ってきた。Free Shipping と明記されていたのだから速く送れと返信し、その後譲歩して $50 までなら払うと言っても譲らない。結局キャンセルすることにした。PayPal 決済した代金は程なく PayPal に戻ってきた。
最初の注文はここ。
http://www.hllyhifi.com/yaqin-mc100b-kt88-tube-vaccum-integrated-amplifier-p-215.html?zenid=nh4m7a0n69c98ou5g12segaoi3

そのうちだんだん気が変わり、少々やり過ぎな感じのデザインも鼻についてきた。そして選んだのはこれ。Bewitch6550。Yaqin などは日本に代理店? などがあったりするのだが、Bewitch に関しては Web のページも見つからない。しかし、シンプルな外観と 28kg という重量、日本語のものはないが英語で書かれたインプレッションは幾つか見つかり好印象だった。そして別のショップに注文。こちらも香港からだ。
http://www.hi-end.on9mart.com/cart/Bewitch%20-%206550.html
そして注文から8日で届いた。
正面から。幅はフルサイズあり、奥行きも結構ある。左から電源スイッチ、ボリューム、ソース切替。

 
上面から

 
10本の真空管

 
出力管は KT88 互換の Electro Harmonix 6550EH ロシア製。

 
真空管そのものも、中国製とその他では値段も品質も音も違うらしい。同梱されていた真空管も4本の 6550EH 以外は全て中国製だ。現在は中国以外に東欧やロシアでは真空管が生産されており、あとはビンテージものということになる。真空管を差し替えて音の違いを楽しむというのも真空管アンプの楽しみの一つで、プリ管、整流管の交換をしてみようかと思っている。また、回路図が付属しており判る人は改造など企てたりするらしい。

早速セッティングをして暖気の後、音を出してみる。今までと比べて明らかに厚く、深く、丸く感じる音だ。最近は iTunes 上の音楽を再生することが殆どだが、特に昔の125kbps で圧縮された音はボリュームを上げると再生機器によってはうるさく感じることがあり、そういう性格を少し丸めてくれることも期待していたりする。エージングを進めるとまた変わってくるのだろうか。
この次に手を付けたいのは、DAC だ。現在使用しているのは売り場で一番安かったオーディオインターフェースDAC の世界でも中国製の製品が結構注目されている。コンデンサーやチップを交換して、音質の改善を図ったりしている記事も多い。アンプにはリモコンがないので、リモコン付きの DAC を挟めればという期待もしている。

追記: Bewitch は北米、ヨーロッパ向けのネーミングで、日本へは Concert Master という名前で入ってきているようだ。http://sound-master.shop-pro.jp/?pid=38577893