青山陽一 / Blues for Tomato

荷物の盗難にあったときに iPhone もいっしょになくなった。そして iTunesPowerBook ではなく自宅の Mac mini で管理されているので、自分の音楽にアクセスする手段がない。Network に繋がった状態であれば、google Music にアクセスすることが可能だが、これも部屋では利用することが出来ないのが辛い。と音楽に飢えている状態で青山陽一の新譜が発売された。CD を間違いなく買うのだが、今聞きたい直ぐ聞きたいと思い iTunes へ。アメリカの iTunes アカウントはクレジットカードをクローズしてしまったので使えないが、日本の iTunes アカウントは生きているはずと思い購入ボタンを押すが、これまでに利用実績がない端末なのでカードのセキュリティコードを入力しろと言われる。カードは自宅に置いたままなのでこれをクリアできず断念。諦めようとしたところに ototoy.jp の存在があった。ここでは CD でリリースされていない音源を何度か購入していてカード情報も登録されていた。ここで無事購入することが出来た。しかし80MB弱のファイルをダウンロードするのに一苦労。回線が細いのと、時々 Wi-Fi の接続が切れることが重なり、ダウンロードにかなりの時間が掛かった。
さて、苦労して入手したこのアルバム。もう何度も何度も聴いている。楽曲のスタイルはブルーズ、ソウル、ファンクなどをベースにした、しかし彼の曲とすぐにわかるオリジナルなものだが、演奏は近年の BM's メンバーによるドラムス、オルガン、ベースに青山のギターと歌以外、余計な音は一切入っていないシンプルなもの。シンプルとは言っても、一発録り的なリズムトラックにギターと歌、特にコーラスが丁寧に重ねられておりバンドの躍動感とスタジオワークがいい感じに混ざり合っている。
60〜70年代の音楽に強い愛情を感じるが、懐古趣味ではないオリジナルなロックになっているところは、若い人たちには決してまねの出来ない所だと思う。
この人は、正直歌がちょっとな… と思っていた時期がある。正直生粋のシンガーという感じではないのだが、近年、ギター一本でのライブを重ねたりと、まだまだ自分を高めようとする姿勢はすばらしいし、その成果はこのアルバムにも現れているように感じる。そして欠点を補って余りある楽曲の良さとギター、アレンジの良さ。万人に受ける人ではないが、大人のロック好きには是非チェックして貰いたい。

ブルーズ・フォー・トマト

ブルーズ・フォー・トマト

Blues for Tomato - 青山陽一