山の保険を考える

山に登るようになってこれまで遭難しかけたり怪我を負った経験はないが、山の保険に加入している。遭難救助は自治体の組織が動く場合は基本無料であるが、民間のヘリが出動したり、大規模な捜索が行われたりする場合は費用を請求されることがある。以下のような動きもあり、定期的に山に登る者にとって、保険の加入は常識化しつつあると思う。

山岳遭難、ヘリ救助を有料化?埼玉で自民県議団が条例案
http://www.asahi.com/articles/ASK1W5D28K1WUTNB01P.html

ではどんな保険が必要か?

第1は前述の遭難救援費用。次に必要なのは賠償保険。歩いていて落石を起こし怪我をさせるような場合は予め予見される事象とみなされて保障の対象とはならないようだが、スキーや自転車での衝突事故などでも適用される賠償保険には入っておきたい。

その他、本人の死亡時の保険金、怪我の治療費、携行品の破損/盗難などがあるが、別途加入している保険でカバーされている場合もあると思うので、必要に応じて選択すれば良いと思う。

山の保険では、アイゼン、ピッケルを使用する登攀を行うかどうかで保険の種類や金額が変わる場合が多い。(軽アイゼンは除く)
自分は3000m級の冬季登山は体力も技術もないので手を出していないが、元々スノーシューのゲレンデを探して山に入っていったようなところもあるのでアイゼン、ピッケルを装備した冬山への日帰り登山は行う。従って今回は以下のような条件で保険を探してみる。

  • アイゼン、ピッケルを使用する登攀を行う
  • 遭難救援費用
  • 賠償保険(登山以外のアクティビティでも保障)

主な山の保険を調べてみた。

遭難救援 賠償保険 怪我、死亡時 携行品 登山以外
モンベル 山岳保険
日本山岳協会 山岳共済会 登山コース ×
木村総合保険事務所 山岳登山の総合保険
やまきふ共済会 やまきふエキスパート ×
日本費用補償少額短期保険 レスキュー費用保険 × × × ×
日本山岳救援機構 × × × ×

上の4つが自分には候補となる。ちなみに一昨年はモンベルに、昨年は山岳共済会に入っていた。
 

保険 遭難救援 賠償保険 怪我、死亡時 携行品 保険料 URL
モンベル 500万(救援)200万(捜索) 1億 200万 保険料 18850円(E031)
傷害医療費用あり保険料 14540円(F031)
保険料 10620円(F034)死亡時5万円
http://hoken.montbell.jp/about/mountain.php
日本山岳協会 山岳共済会 300万 1億 300万 保険料 11050円
保険料 16310円(通院、手術)
年会費 1000円
https://sangakukyousai.com/
木村総合保険事務所 200万 1億 200万 20万 保険料 14500円
携行品特約 2300円
個人賠償特約 1100円
http://kshj.co.jp/mountain/
やまきふ共済会 500万 1億 50万 10000円 http://www.yamakifu.or.jp/
日本費用補償少額短期保険 300万 4000円 http://www.nihiho.co.jp/
日本山岳救援機構 330万 入会金 2000円年会費 2000円分担金 750〜1500円 http://www.sangakujro.com/

 

  • モンベルは保障の内容が細分化されている。1年払いの他に割安な3年払い、5年払いがある。保険の加入はモンベルクラブの会員である必要がある。
  • 日本山岳協会 山岳共済会は途中加入が可能だが年度単位というところが古さを感じさせる。新規加入のみWebによる申込とクレジット決済が可能になったようだが、継続は郵便局で払込。
  • 木村総合保険事務所はWebでの申込が可能だが少し割高に思える。
  • やまきふ共済会はオプションなしの10000円ポッキリ。他の保険に比べて保険料は少し安いが入院や手術時の保障がある。Weでの申込とクレジット決済が可能だが2年目以降は自動更新であることに注意。登山届の有無によって保障の範囲が異なることにも注意。
  • 残り二つは省略。

今回はやまきふ共済会に申し込むことにした。保険の真価は事故が起きたときた時に発揮される訳だが、その機会は訪れない方が良い。