can-am spider 試乗

can-am spyder の試乗に行って来た。can-am spyder は前2輪後1輪の3輪バイクだ。日本では免許制度上乗用車で車両登録上は二輪という位置づけ。
http://www.brp-jp.com/
 
BPRはカナダでスノーモービルジェットスキー、ATVなどを作っている企業。Victory Motorcycle が日本に上陸した Polaris と似たポジションか。使われているエンジンは ROTAX製だが、ROTAXはBPRの子会社であった。can-am spider を初めて見たのはNYのモーターサイクルショー。RSというスポーツタイプのモデルに惹かれた。
今回日本に入ってきたのはRSではなく、ツーリングモデルのRT。Goldwing 的なモデルだ。エンジンはこれまでの990cc Vツインから、1330ccの三気筒に変更されている。これで随分走りやすくなったそうだ。また電子制御が最新の車並みに奢られており、アンチロックブレーキ、スタビリティコントロール、スキッドコントロールなどが働く。また試乗車はセミオートマで、クラッチレバーがなく、パドルでシフト操作をする。シフトダウンはオートで行われるが、シフトアップは必ず操作する必要がある。また、ブレーキはフットブレーキのみで右のハンドルにレバーはない。
Test Drive - can-am spyder
Test Drive - can-am spyder
Test Drive - can-am spyder
Test Drive - can-am spyder
Test Drive - can-am spyder
 
試乗は完全予約制だ。受付を済ませ、いかにもアメリカ的な誓約書にイニシャルのチェックと署名を行い受付をすると最初はプロモーションビデオを見る。ビデオは英語なので、スタッフによる日本語の解説が付いた。
その後実車を囲んで操作の説明。トライクはバンクをして曲がる訳ではないのでハンドルを切る必要がある。押し3割引き7割の力とのこと。荷重移動によるコントロールなども不要(あまり意味がない)との事だった。
次はコース内での練習。30m位の直線路を加速してブレーキ。思い切りブレーキを踏むと体と後輪が少し浮く。その後パイロンの狭いコースを走り、ハンドル操作と車両感覚を掴む。
そして最後に路上での試乗。先導者がいて最高速はせいぜい60Kmくらいなので、加速や高速域の性能を確認することは出来なかったが、30分ほど田舎道を走ることが出来た。
まず乗ってすぐの印象は、路面の傾斜やうねりを前2輪で捉えるので、左右のタイヤが上下してそれが車体に伝わる事に違和感がある。(すぐに慣れるが)セミオートマは割りと良くコントロールされている様で気持ちの悪いタイムラグなどはない。また、低い速度で高いギアに入れようとするとそれを抑制しようと介入してくるようだ。ハンドルを切れば切っただけ曲がる感じ。曲がると外側にロールするので、体を垂直に保つようになった。ちなみにハンドルの操作にはパワーアシストが装備されている。フットブレーキは車と同様、普段は足を外しているので、咄嗟のブレーキングには足が反応し難いと感じた。
もう少しスピードを上げてスポーツ走行をしたらどんな感じなのかということにはかなり興味がある。
can-am spyder は2輪でも4輪でもない面白い乗り物ではあるが、自分の場合2輪の楽しみをこれに置き換えることは出来ない。このへんが面白さではあるが弱点でもあると思う。車庫証明は不要で税法上の維持費は安いが、駐車スペースは車並みに必要だ。またトラブル時のメンテナンス体制にもまだ不安が大きい。しかし、これまで2輪を改造してトライクにして乗っていた人たちや、体力的にツーリングモデルを乗るのは厳しいという人たちにはアピールするものがあると思うしお金が十分にあったら一台欲しいとは思う。
アメリカではトライクに小さなトレーラーを付けてツーリングしている人を結構見かける。can-am spyder にもヒッチのオプションがあるようだ。
こちらはRS。スタイリングはこちらが格好良い。日本への導入は未定とのこと。
Test Drive - can-am spyder