Midnight in Paris

映画の日なので何か映画を見ようとこの前集めたチラシを眺めた結果、この映画を見ることに決めた。場所は豊島園。通勤沿線だが1本支線に入らないといけないところ。そして上映開始が21時過ぎだったので、1日じゃなくても 1200円で見られるのだということは深く考えないことにする。
この作品、ウッディ・アレンの監督・脚本作品ということ意外に何の予備知識も持たずに見始めたのだが非常に面白かった。それもそのはず、アカデミー賞脚本賞を受賞していた。そして彼の映画の中で最高の観客動員数を記録しているらしい。
舞台はパリ。主人公はハリウッドのそこそこ成功している脚本家で、結婚する予定の彼女の両親の仕事のついでにパリに訪れている。脚本家の仕事に満足できず、小説を書こうとしているが煮詰まっており、20世紀初頭に芸術家が集ったパリに強いあこがれを抱いている。
ある晩、酔ってパリの町を一人歩いていると一台の古い車が通りがかり、誘われるままに乗り込むと、付いた先はまさしく20世紀初頭のパリ。そこではコール・ポーターが歌い、ヘミングウェイ、フィッジェラルド、ジャン・コクトーなどが語らう世界だった。最初はいけ好かない男だった主人公がこの世界を見ることで、そしてここで彼が恋をしたヒロイン、アドリアナが抱く昔へのあこがれを見ることで、自分を見つめ直して行く。
いわゆるタイムリープものではあるが、この作品ではSF的な要素は一切ない。
しかしこの物語の構成、構造、ウィットに富んだ会話などがすばらしく、見終わった後に心地よい余韻を感じるものだった。
これを見て以来、Spotify で時々コールポーターの弾き語り作品を聴いている。
http://www.midnightinparis.jp/