より良い写真を撮りたい人の為のカメラ選びガイド Part2 (ミラーレス機編)

ミラーレス機は今一番ホットなジャンル。一眼レフとは、レンズと画像素子(フィルム)の間に、45度の角度でミラーを置き、カメラ上部のペンタプリズム(ペンタミラー) を通して光学ファインダーへ像を導く。シャッターを切ると、まず始めにこのミラーが引き上げられ、画像素子へ光が届く。これをミラーアップという。
ミラーレスは光学ファインダーを持たないため、ミラーもペンタプリズムも不要で、そのためにボディを薄く小さくすることが可能だ。その為、一眼レフでは重くて手に余りそうだと考える女性などにアピールできるらしい。EVF (Electric View Finder) と呼ばれる電子ファインダーが装備されているもの、オプションで装着可能なもの、ファインダーに対応しないものがある。現在、多くのコンパクトカメラは光学ファインダーを持たず、そういう意味ではコンパクトカメラも一眼であり、コンパクトカメラとミラーレスの機構上の違いはレンズ交換が可能かどうかということだけだ。
画像素子は様々、SONY の NEX が APS-C サイズで一番大きくPanasonicOlympusマイクロフォーサーズNikon 1Pentax Q、と言う順番だ。画像素子が大きければ良いと言うものでもないが、素子サイズが小さいとレンズとの焦点距離が短くなり、ボケが出にくくなる。コンパクト機でも 1/1.7 などが使われているところで Pentax Q などは 1/2.3 という小さなサイズだ。
ミラーレスと一眼レフでは、AF (Auto Focus) のための機構が異なる。一眼レフでは位相差検知式と呼ばれる機構だが、ミラーレスはコントラスト検知式。合焦速度は位相差検知式が有利だ。ミラーレスでも AF性能はどんどん上がっているが、新しく出た Nikon 1 ではミラーレスにも関わらず位相差検知式を採用し、AF性能をアピールしている。
レンズマウントの規格はそれぞれ異なるので、レンズのラインナップも重要だ。また、今の企業は儲からないと簡単に開発を止めてしまう可能性があるので、将来性のある規格かどうか、ということも見極める必要があると思う。NEX はなかなかレンズのラインナップが増えないと言われており、PanasonicOlympusマイクロフォーサーズの互換性によってラインナップを補完することが出来る。Nikon 1 はそう簡単に止めないだろうが、Pentax Q はどうなるか…
ミラーレスのもう一つの楽しみは、マウントアダプターを介して、規格の異なるレンズを装着することだ。NEX と SONY α、マイクロフォーサーズフォーサーズNikon 1 と Nikon FX/DX のマウントアダプターは露出、AF が作動するため、一眼レフとミラーレスを両方持つ人には有効だろう。それ以外にも、ライカをはじめとするオールドレンズに対応するマウントアダプターが沢山売られている。当然 MF だし、絞りもカメラ側から変更することが出来ないが、手持ちレンズの有効利用だったり、特徴のある描写を求めて新たにオールドレンズに手を出す人たちもいる。
ミラーレス機をコンパクト機からのステップアップとして購入しようと思っている人は、普通の一眼レフではダメな理由を良く考えて欲しい。レンズを交換して楽しむ予定がないのであれば、コンパクト機の方がより良い選択かもしれないし、ミラーレス機で物足りなくなってしまい一眼レフを買いたくなるかもしれないと思ったら、最初から一眼レフを買う方が良いかもしれない。
 
SONY NEX-5
小さなボディに APS-C サイズの画像素子を載せたソニーのミラーレス。根強いファンがいるものの、各種パラメーターの設定が、メニューの深いところにあって、イマイチ使いにくいという声がある。
現状のフラッグシップは NEX-5 だが、NEX-5NNEX-7 が発表され、発売を控えている。NEX-7 はボディのみで \129,800 という高価格。αシリーズのマウントアダプターを装着すると、αレンズが AF を含めて利用可能になる。

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Panasonic Lumix GF3/GH2/G3
Panasonic のマイクロ・フォーサーズ機。GH2 がフラッグシップモデルで G3 は全体に軽量化され、若干スペックは劣るがほぼ変わらないモデル。スタイルも一眼レフに近い感じだ。GF3 は EVF を持たない小型軽量モデル。GF3 は GF2 からさらに小型化されているが、変に丸みを帯びたヌメッとしたスタイルが個人的には苦手。単焦点のレンズなどは評判がよいようだ。http://kakaku.com/item/K0000152865/
 http://kakaku.com/item/K0000261376/
 http://kakaku.com/item/K0000261381/

OLYMPUS PEN E-P3/E-PL3/E-PM1
Panasonic と共にマイクロ・フォーサーズとして早くからミラーレス機を展開している。OlympusPanasonic と違い、オーソドックスなスタイル。デザインで冒険していないが、嫌みがなく好感が持てる。これらのモデルは、"FAST AF" をうたい、位相差AF を越える高速AF と主張している。3機種とも基本的なスペックは変わらず、P3 はボディ内手ぶれ補正機構を持ち、PL3 は可動式の液晶ディスプレイを備える。
 

http://kakaku.com/item/K0000268249/
 
OLYMPUS ミラーレス一眼 PEN Lite E-PL3 レンズキット シルバー E-PL3 LKIT SLV

OLYMPUS ミラーレス一眼 PEN Lite E-PL3 レンズキット シルバー E-PL3 LKIT SLV

http://kakaku.com/item/K0000268224/

http://kakaku.com/item/K0000268238/
 
Nikon 1 V1/J1
先頃発表され、10月に発売されるニコンのミラーレス機。売りはミラーレスながら位相差AF を装備している点と、マウントアダプタを介して FX/DX のレンズが使える点くらいか。どうひいき目に見てもスタイリッシュとは言い難く、大きな "1" の印字は「なにそれ?」と言いたくなる。画像素子も何故か小型だし、パラメータ変更などもあまり使い勝手が良さそうではない。(取扱説明書による) 自社の一眼レフのシェアを食われたくないためにワザとスペックダウンしたのではないかなどということすらささやかれている。http://kakaku.com/item/K0000291094/
 http://kakaku.com/item/K0000291085/
 
Pentax Q
かつて Auto 110 というレンズ交換可能な小型カメラがあったが、Pentax Q はそれを念頭に置いて開発されたものらしい。ボディも画像素子もレンズも小さいが、写りは期待以上との評判。また、トイカメラのレンズのような交換レンズを幾つか用意しているのも新しい試みだ。実物を手に出来ていないが、ポップアップするフラッシュを含め、モノとしての魅力もありそうだ。レンズ2本ついて5万円くらいだったら、何かの拍子に買ってしまいそうな気がする。http://kakaku.com/item/K0000264432/


注: レンズ交換式カメラの場合、ボディ単体から、レンズキット、ダブルズームキットなど幾つかのバリエーションがある。ここではボディとレンズ1本をセットにしたものを紹介している。

Part1 (高機能コンパクト機編) http://d.hatena.ne.jp/tono-p/20110921/p1
Part3 (一眼レフ編) http://d.hatena.ne.jp/tono-p/20110923/p1