島の色 静かな時間

沖縄の西表島で糸を作り、色を染め、布を織る石垣昭子と、島の唄や祭りを愛する夫、金星。ゆっくりと流れる島の時間の中、紡がれる白い糸、鮮やかに染め上がり、織り上げられていく布には、自然と人の魂が宿る。この夫婦のどこかユーモラスで、たくましく大地に根を張った生き様、自然とともに生きる知恵を素朴に語る言葉、酒に酔って唄い、神へと祈る、失われつつある、自然から生まれ自然へと還る人の暮らしが、詩的な映像で語られてゆく。また、島の聖地に放置されたリゾート開発後の廃墟を、もとの聖地に戻したいと訴える昭子の言葉が、島の切迫した環境問題を伝えていく。

西表島を舞台とするドキュメント映画であり、美しい映像詩となっている。夫の石垣金星氏はユニマットリゾート開発差止訴訟の原告団長となった人だそうだ。渋谷シネマ・アンジェリカでの公開は本日まで。
http://silentvoice.jp/movie/index.htm