Buell XB12R

3年間乗ってきた Harley Davidson XL1200R Sportster を降り、Buell XB12R Firebolt に乗り換えることとなった。今回はその Buell について書いてみたい。
Buell は 創業者 Erik Buell により 1983年に始まる。第1号車は、英国製の2ストロークスクェア4エンジンをオリジナルのクロモリ製トラスフレームに搭載したレーサーだった。当時ハーレーダビッドソン社の社員だったエリックはこのマシンの制作を機にハーレー社を退社し、ビューエルモーターカンパニーを設立する。初の公道マシンは1986年の RR1000。ハーレー XR1000 のエンジンを搭載していた。その後、スポーツスター1200 のエヴォリューションエンジンを搭載した RR1200へ。日本の総代理店はサンダンス。いろいろ手を加えて筑波のバトル・オブ・ツインやデイトナへ参戦していた。
その後、エンジンの供給を行っていたハーレー社がビューエル社の技術力の高さに注目し、資本参加。日本においてもハーレーダビッドソンジャパンが正式にビューエルを販売することとなる。その第1弾が1996年の S1 Lightning。その超コンパクトなスタイリングは現在に至るXBシリーズまで受け継がれている。
2002年に XB9R をリリース。革新的なアルミフレームを採用。エンジンもこれまでスポーツスターのエンジンを流用する形から、新設計のビューエル専用エンジンとなった。(45度Vツイン、OHVエンジンでハーレー社の生産であることは変わらず)
2008年。ロータックスに依頼した水冷の専用エンジンを搭載した1125R をリリース。しかし、日本の騒音規制をクリアするためには、エンジンの大幅なスペックダウンをせざるを得ず、2009年も国内のラインナップには登場していない。
ビューエルの開発のキーワードは三つ。一つ目は「マスの集中化」。重量物は可能な限りエンジンの周りの低い位置に配置。マフラーやリアショックがエンジンの下に配置された。シートテールが短いのもこのため。二つ目は「高剛性シャシー」最初はエンジンをストレスメンバーに加えたトラス構造を持つパイプフレーム。そして現在はアルミツインチューブフレームになっている。三つ目は「バネ下重量の軽減」超軽量ホイール、シングルディスクなど。
2002年にリリースされた XBシリーズはきわめて革新的である。タンクの位置がエアクリーナーというのは現在では珍しくもないが、XBはアルミツインチューブフレームの内部をガソリンタンクにしてしまった。ついで、スイングアームの内部をオイルタンクに。そしてフロントブレーキディスクはハブではなく、リム側マウント。この構造から、フロントホイール自体を大きく軽量化している。
何故ビューエルか。これまで乗っていたスポーツスターは楽しいバイクだ。スタイリングも気に入っている。フォトジェニックでもある。しかし、コーナーリング限界の低さから、峠が楽しいバイクに乗りたいと思うようになった。高速走行についてもスポーツスターは快適な速度が90km/h〜100km/h 程度だ。これはこれで割り切って走れば良いのだが、もう少し巡航速度が高いバイクに乗りたくなった。そこで以前から気になっていたビューエルに注目するようになった。見た目にインパクトがあり、実用域でのパワフルさと車体がコンパクト。大きなVツインエンジンを搭載していながらスーパースポーツバイク並みの車重。そして決め手となったのが 2009年モデルの価格だ。2008年モデルから20万円以上安くなっているのだった。
何故XB12Rか。一番格好良いと思ったから。理由なんてそれで十分だ。あとは普段の使い方にマッチするかどうか。前傾のきついポジションは試乗車に乗って確かめてみた。確かに前傾はきついのだが、ハンドルまでの距離が遠くないので、手首に負担が掛かるような感じはなかった。許容範囲。それから積載性。キャンプ道具を積んで走ることが出来るか。これも何とかなるのではないかと思っている。とりあえず小振りだが純正のサイドケースをサービスしてもらうことにした。あとは実際にパッキングして確かめるしかない。ショートホイールベース故、重量物の積載はハンドリングに影響がありそうではあるが...
そんなわけで、納車の日を心待ちにしている。
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